2019年度佛教大学通信課程 教育原論の合格済みレポートです。
こちらは2019年度4月以降入学、新テキスト・シラバスに対応しております。
佛教大学は特に罰則が厳しいのでそのままの転用は控えてください。
こちらを参考程度に、新テキスト・自らの考察を付け加えるなどしてご利用ください。
【設題】
教育における能力課題について、教育思想史のなかでどのような主張が展開されてきたかについて論じてください。
【参考文献】
『しょうせつ 教育原論二〇二X』晃洋書房
教育思想史というのは、古代ギリシア・ローマの古典古代、中世、ルネサンス・宗教改革から17世紀前半までの近世、そのあとは17紀後半から19世紀、最後は19世紀末から20世紀の5つに分けられると考えられる。これらの各時代の思想家の主張を見ていくと、先代の思想家の影響や宗教に大きく影響を受け、時代によって様々な主張がなされている。では教育における能力課題について各時代の思想家たちはどのような主張を示したのであろうか。
①古典古代(古代ギリシア・ローマ)
古代ギリシアでは、都市国家であるポリスのうちスパルタとアテネでは全く違う教育であった。スパルタでは厳しく兵士を養成する鍛錬主義の教育であったのに対し、アテネでは市民による民主制がとられ「スコーレ」という私塾で体育・音楽・文法を中心とした教育であった。
この時代の思想家になかでもプラトンの思想は重要なものであると考えれる。プラトンは教育の目標を、知恵・勇気・節制を育成することであると考えた。これらの知恵・勇気・節制は支配者・防衛者・生産者という社会階層つまりそれぞれの才能のある者を育成することが教育の役目であると考えた。つまりプラトンは国や社会...