佛教大学通信教育部(精神保健福祉士)の合格レポートです。日々の勉強の参考としてご活用ください。
『「市場の欠陥」と「政府の欠陥」をふまえ、社会福祉「市場化」の問題点と市民本位の社会福祉の課題をまとめなさい。』
社会福祉「市場化」の問題点は、本来、社会福祉は「市場の欠陥」がもたらす社会問題へ働きかけて機能するものだが、社会福祉自体が市場化することで、本来の機能を発揮できるのか。まして「政府の欠陥」が存在する社会で、本当に市民のための社会福祉を再構築できるのか。という点である。
なぜこうした問題点が出てくるのかを、「市場の欠陥」と「政府の欠陥」をふまえて述べていく。
まずは「市場の欠陥」について述べる。
「市場の欠陥」とは「資本主義の矛盾」そのものである。われわれが身近に感じる「市場」とは商品である財・サービスに価格がつけられ、販売者と消費者は対等な立場で貨幣を使いそれを交換するメカニズムであり、「市場」の中では常に競争があり、質の悪いものや消費者のニーズに合わないものは淘汰され、より質の良いもの、消費者のニーズに合ったものが残る、とされている。しかし現実の「市場」はこのような対等な自由競争、適切な判断ができる消費者、自動調整メカニズムが働き商品の価格の調整がされ、より利潤の...