法律学概論Ⅱ
国際紛争の解決手段について説明しなさい。
ポイント→国際社会における国家間の紛争を解決するための諸手段と、その問題点。
キーワード→裁判以外の解決手段、裁判手続、自力救済、集団安全保障制度
参考文献→国際法 ハンドブック、国際法
国際紛争とは、国際社会において、国家をはじめとするさまざまな行為主体の間で、価値・利益が非両立的関係にある状態のことをいう。典型的には国家と国家の間の紛争を意味するが、ある国と他国の個人、少数民族、宗教集団、多国籍企業や私的国際組織などのいわゆる脱国家的行為主体との間の紛争も、関係国政府の関与で国家間の紛争となる。国際紛争は軍事的手段の行使を伴う国際戦争や内戦から、口頭やマス・メディアなどによる論争までを含む多種多様な現象である。
この国際紛争の解決の手段としては、国際裁判などに付託する平和的解決と紛争当事国が実力で自己の主張を貫徹しようとする強制的解決の2つの方法があったが、20世紀になって戦争の違法化が進むにつれ、前者に重心が移ってきた。従来は国際社会の紛争解決手段として、武力を伴う強制的解決が、自力救済の一形態として認められていたが、...