認知症について

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    認知症について述べよ。
    序)

    認知症とは、アルツハイマー病や脳血管疾患などによって進行性に認知機能の低下が進み、円滑な社会生活が営めなくなる状態をいう。認知症の定義では、いったん獲得した知的機能が後天的な器質的要因により低下した状態であり、意識障害がないことが前提とある。診断には種々のスケールを用いるが、年相応のもの忘れと認知症のもの忘れを区別する必要がある。年相応のもの忘れと認知症のもの忘れについての鑑別は困難な場合がある。年相応の忘れでは、体験の一部を忘れる、生活に支障がない、もの忘れを自覚していると基本的に悪化はしないし行為のすべてを忘れることはない。一方、認知症のもの忘れでは、全体を忘れる、問題行動がある、自覚しないと、体験そのもの(エピソード記憶)を忘れてしまうことを特徴としており、時間をかけて徐々に悪化し、ついには見当識障害を表し、生活そのものに障害をきたすことになる。認知症が進むともの忘れのための作話をすることもある。この段階で見守りや介護が必要になり、これは家族に介護の負担をかけることを意味しており、社会的にも家族としても相当な負担となるわけである。

    1.認知症...

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