中央大学 通信教育 2012年度 民法5(親族・相続) 第2課題 合格レポート

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    中央大学民法

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    1.子の引渡請求の法的意義
     子の引渡請求権については、民法上の明文規定がないため、法的根拠が問題となる。
    古くの判例は、子の引渡請求権を物の引渡請求と解していたが、親権者には、子に対する身上監護権があるため、非親権者が身上監護権を侵害しているときには、一種の妨害排除請求権として子の引渡請求できると解するのが現在の判例・通説である。
     また、人身保護法に基づく子の引渡請求も認められる。人身保護法は、人身が不当に拘束を受けているときには、人権の迅速な回復の処理が行われていることになり、司法裁判によって人身の開放を求める手続を認めている。同法は、拘束に顕著な違法性がある場合に、拘束からの解放を認めるものであり、暴力的に子が連れ去られたような場合には、現状回復を認める。人身保護法を根拠とする場合は、監護権者だけではなく非監護権者にも引渡請求が認められることとなる。
     それでは、子の引渡請求はどういった基準で認められるべきか。この点について、次に論述する。
    2.子の引渡基準
    (1)比較衡量基準
     比較衡量基準は、夫婦のいずれに監護せしめるのが子の幸福に適するかという考えに基づく基準である。すな...

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