2011年度課題レポート・法学のものです。
題:法の解釈
序論
裁判における法の適用は、形式的には三段論法の形で行われる。この際、裁判官は第一に事実認定、第二に適用法規の決定とその法規の解釈を行う。即ち、裁判における適用法規は、法規が文字通りのままの形で適用されるわけではなく、解釈によりその意味を定めた上で適用されている。
では、その法の解釈は如何なる意義を持つか。また、その際に定められる事実認定及び証拠とは何か。更に、法の解釈をめぐり如何なる論争があるか。最後に、法の解釈は如何なる役割を負うか。本稿では以上の論点に沿い説明する。
本論
法の解釈とは、実定法に含まれる法規範の意味を明確にして適用する手続をいうところ(1)、何故それは必要とされるのか。電気窃盗事件(2)を挙げて説明する。尚本件は、旧刑法366条の客体として電気が該当するか問われた事件である。
この点、電気を窃盗するという具体的事実関係を本条に適用するべきところ、電気は有体物とはいえず、条文の文言通りには本件行為を罰することができない。そこで、裁判官は公益の観点から具体的に妥当な解決を図るため、無体物であっても刑法上の客体と見做すことができると判...