学校教育の「選抜・配置機能」
①学校教育の「選抜・配置機能」について
学校教育は、社会成員の選抜・配置機能を有している。明治時代以前は、学校教育は社会的・
経済的地位を表す象徴的なものであった。明治時代に、義務教育制度が発足してから小学校就
学率が上昇すると、学校が子どもの選別を決定する必要ができたため、その選抜機能が果たされ
るようになる。
第二次世界大戦後に社会は平等化が進み国民の所得水準が上昇していくと、それにともない、
進学率も上昇していき、高校進学率は1975年には90%にまで及んだ。これにより、学校は日本
の産業化・近代化の推進に決定的な役割を果たした。工業や商業は学校教育を受けていることが
求められ、小学校教育を受けることが上級学校進学への条件となり、上級学校卒業者は将来の職
業に展望が開けるという学校と職業が強い結び付きを持つ状況となった。
こうして社会は、子どもを一定の年齢までに異なる職業に配置する役割を学校に委ねることと
なったのである。そのため学校は、国民に広く学校教育の機会を等しく提供し、その能力を評価
することによって、選抜・配置機能を担ってきた。
また、選抜・配置機能の果たすメカニズムと...