近世教育及び近代教育、また多くの教育家に多大な影響を与えた西洋の教育家、ルソーとペスタロッチーはそれぞれどのような教育観・思想を持っていたのだろうか。
まず、ルソーについてである。自身の著作であるエミールの中で彼は、子供は生まれた時はみな善であり、悪くなるのは大人の教育方法やその社会が悪いせいであると説く。彼は「自然人」の育成を自身の教育目的としているが、それは、大人の世界観や価値観を子供に教えこむような教育ではなく、子供が自分自身の五感を使って物事を感じ、また学び、判断していく主体的人間を育てるということである。
ルソーは教育方法において一貫して、子供の発達段階に応じた教育なすことを主張している。彼は子供の発達段階を、乳幼児期(0~5歳)、少年期(5~12歳)、青年前期(12~15歳)、そして青年中期・後期(15~20歳)の4つの段階に区分し、子供にはそれぞれの段階において固有の成長論理があるといっている。つまり、幼児期において、その先の発達段階を目指した教育をしてはならず、幼児期には幼児期固有の世界観があり、その自然の発達に応じた教育が必要だと言っているのである。
ここで、...