幼稚園教育の基本は、幼稚園教育要領において、「幼稚園教育は、幼児期の特性を踏まえ環境を通して行うものであることを基本とする。このため、教師は幼児との信頼関係を十分に築き、幼児と共によりよい教育環境を創造するように努めるものとする。」と述べられている。また、幼稚園は学校教育法第77条において「幼稚園は、幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする。」と述べられていることからも、幼稚園という施設は幼児の発達する生命を守り育て、幼時期以降に続く発達段階を支えるためにも、幼児期の特性を生かした環境による教育を行う存在でなければならない。ここで、教師にとって重要なのは「幼児期にふさわしい生活の展開」、「遊びを通しての総合的な指導」、「一人ひとりの発達の特性に応じた指導」という3つの理念に沿って子どもたちの成長・発達を導いていくことである。
前述したように、幼稚園教育は環境を通して行われるものである。この場合の「環境」というのは、幼稚園の園具や遊具などの「物的環境」、教師などの「人的環境」、さらには時間や空間も含まれる。幼児期は、身の回りの全てのものに対する興味・...