本レポートは、八洲学園大学司書課程(図書館資料論)にて、A評価を得たものです。図書館コレクションというのは、言うまでもなく利用者の為に存在します。そこで本論では、公共図書館の本質的機能である「資料の利用・提供」という視点から、図書館コレクション構築のための各種プロセスの意義について考察します。参考文献は6冊で、約3400字程度でまとめています。
はじめに
『中小都市における公共図書館の運営』刊行以降、公共図書館の本質的機能は「資料の保存」から「資料の利用・提供」へと変貌を遂げることになる。具体的には「貸出・閲覧」を中心とする直接サービスを実施し、それは利用者の拡大、ならびに公共図書館の発展へと繋がることになった。(1)(2)(3)そしてそれら直接サービスを支えるが間接サービスであり、または、図書館コレクションである。
そこで本論では、公共図書館の本質的機能である「資料の利用・提供」という観点から、図書館コレクション構築のための各種プロセスの意義について明確にしたい。
1、図書館コレクションの意義
図書館コレクションとは、1、図書を始めとする新聞や雑誌などの印刷資料、2、ビデオやCDやDVDなどの視聴覚資料、3、CD-ROM等に収録された電子資料などの集合体である。また、それらは図書館の日々の業務(資料の選択、収集、整理、保管)を通じて構築されていくものである。
図書館コレクションの質や量は図書館サービスの生命線であり、対象とする利用者集団や情報ニーズにそれらが合致しなければ、利用者の評価は低下し、さらには図書館の存在意...