今回は、法源とはどんなもので、法システムの中でどのような意義があるか論ずる。また、同時にどのような種類があるかも挙げる。
法源とは法規範の源であり、裁判官が裁判を行う際に基準となるものという意味である。
もし、裁判において、裁判官が任意で判断を行うようであれば、それは公平な裁判とは呼べない。なぜなら、こうした人間のその時々の思いつきで物事を取り決める「人による裁判」を回避し、裁判所が法に基づいて「法による裁判」を行い、判決を下すことが重要である。その法を具体化するために必要な「正しさ・法を媒介して形にしたもの」が法源である。従って裁判システムに対する信頼は、この法源を明らかにすることと関係している。
法源は法を知るための手段であり、法は我々の前にどのような形で存在しているのか、どのようなものが法として肯定され、価値を有するのか、すなわち「法とは何か」とういことが、法源の主流な問題であろう。我が国では制度上の法源として、成文法と不文法があげられる。以下にこれらについて具体的に述べる。
成文法とは、文書によって書き表された法のことであり、一定の手続きを経て国や行政機関が制定すること...