民法第5課題
有責配偶者からの離婚請求について論じなさい。
中央大学法学部通信教育課程
2013 年度 民法5 課題1
有責配偶者からの離婚請求について
有責配偶者とは、自ら離婚原因を作って婚姻関係を破綻させた者と定義され、有責配偶
者からの離婚請求は、昭和27年~昭和62年までは、原則認められていなかった。しか
しながら、最高裁昭和62年9月2日大法廷判決(民集 41 巻 6 号 1423 頁)を契機に、あ
る要件の下では、有責配偶者からの離婚請求は認められるようになった。
民法 770 条 1 項には裁判離婚の原因が挙げられており、離婚を請求するものはこの存在
を立証して離婚を求める。そこで問題となるのが 5 号の、
「その他婚姻を継続し難い重大な
事由」という規定である。これは一般的破綻主義を宣言したものと理解され、結婚生活が
破綻してしまい回復の見込みがないときは、原告はこれを主張して離婚を求めることがで
きる。しかし、原告が自ら結婚生活の破綻の原因を作った有責配偶者である場合(有責配
偶者からの離婚請求のケースのほとんどは、不貞行為により婚姻を破綻させ、その不貞の
相手女性と同棲している夫からの離婚請求である)
、この有責配偶者が ...