『ジョン・ロックにおける子どもの教育論、
特に習慣形成や賞罰法を中心に述べよ。』
教育について、人間が生まれつき持っている能力を重視する説と、環境が人間に影響することを重視する説との2つに分けることができる。環境が人間に影響することを重視した説の代表的な提唱者として、イギリスのジョン・ロックが挙げられる。彼は、イギリス経験論の有力者であり、「権利の章典」の作成にも協力していた哲学者であり、アメリカ独立宣言やフランス人権宣言にも大きな影響を与えた。そんな彼の教育論の基盤はタブラ・ラサ(政審白紙説)である。これは、子どもは生まれた時はまだ何の観念も持っておらず、成長するにつれて、教育によって様々な観念を獲得するようになるというものであり、経験主義的な考えということができる。子どもの教育はまず感覚的な訓練から始め、感覚によって一つ一つの対象について心の中に観念が起こり、様々な知識が得られると考えた。感覚を通して様々な知識や観念が真っ白な心に入り、記憶し、一つ一つの名前を教わるという過程を経て、心の中に植えつけられる。しかし、もしも幼少期の子どもが誤った複合観念を持つならば、その...