歩
行
【歩行の力学】
歩き始めには歩行速度は徐々に大きくなっていくが、4歩目あたりになると歩行速度の増加は収まり、ある一定値に飽和するようになる。この状態を定常歩行と呼ぶ
歩行中の重心の動き
①矢状面での重心の動き(上下方向)
重心は1周期中に2回高くなって、2回低くなる。
単脚支持期に重心が高くなるのは片脚で立って膝を伸
展させた姿勢に近くなるからであり、両脚支持期で低
くなるのは股関節を開いて前後2本の脚で立った姿勢
に近くなるからである。変動量はおよそ4.5cm程度。
②水平面での重心の動き(左右方向)
右脚の単脚支持期には重心は右へシフトし、左脚の
単脚支持期では左にシフトする。立脚中期がシフトの
限界となり、変動量は3cm程度。
③前額面での重心の動き(前後方向)
前後方向位置の時間に対するグラフでは、右肩上が
りの直線であるが、どの時期で最も前後方向への移動
(前後方向移動速度)が大きいかを示す。
右図より、重心の前後方向速度は両脚支持期で大き
く、単脚支持期で小さくなることが分かる。
歩行における左...