Edmund Spenser ついて述べよ。
エドマンド・スペンサーは、チョーサー以後最大の詩人である。ケンブリッジ大学に学び、ゲイブリエル・ハーヴェイやエドワード・カークのような文学を愛好する友人を得た。卒業後、シドニー卿の知遇を得る。処女作『牧人の暦』は、シドニーに献じられた。これは、それぞれ12の月に割り当てられた12の牧歌から成っている。古語と俗語をふんだんに取り入れて恋愛、宗教、芸術から女王の賛歌に至るまで、様々な主題を様々な詩形で歌い、エリザベス朝詩壇に一時期を画するものとなった。
『妖精の女王』は、彼の死のために未完で終わったものの、人々の好評を得た大作である。その意図は「徳と騎士道の教えを身につけた紳士貴人を描きだすこと」とされている。本来、アリストテレスに従って12の徳に分け、その徳のそれぞれを代表する12人の騎士を配して、一連の寓意物語として12巻で完成するはずであったが、7巻の途中で死んでしまったのである。この作品は、道徳を説いたというよりも、むしろ愛と美の世界を表現したものと捉える事ができる。誇張が多かったり一貫性にかけていたりして、今日一般に訴える魅力がある...