精神科リハビリテーションの基本プロセスである①アセスメント、②計画、③実施 ④評価、の4要素に沿って、実際には何に留意し、どのように行えばよいのか。
現在、精神科リハビリテーションの対象は、多くが統合失調症の患者である。陰性症状から起こる生活の困難に対し、暮らしたい地域で暮らしやすい環境を作ることが目標で、常に本人が主体性を持って取り組めるよう支援することが大切である。では、実際には何に留意し、どのように行えばよいのか。本稿では精神科リハビリテーションの基本プロセスである①アセスメント、②計画、③実施 ④評価、の4要素に沿って述べる。
アセスメント
アセスメントでは、本人の心身の状況や環境の情報を収集する。本人の現状を把握する機能評価と、目標の実現を支える社会資源がどれだけ存在するかの資源評価で構成される。
まず、本人のニーズに基づき目標設定を行うが、ニーズが始めからはっきりしているとは限らない。漠然とした思い、矛盾した言動を支援者が傾聴し、問題を整理しながらニーズを明確にする必要がある。
次に、現状把握のための機能評価と資源評価を行う。機能評価では、本人の「できる機能」と「できない機能」を明らかにする。ただ、「できないこと」ばかりに目を向けるのではなく、今の到達度を整理し、ストレングスへの着目が不可欠である。資源評価では本...