『生活科のこれまでのあゆみをまとめるとともに実際の授業における教育的成果と課題を明らかにし、生活科のこれからの展望について具体的なことがらを示して述べよ。』
1.生活科のこれまでのあゆみ
(1)低学年教育の課題
昭和30年代の終わり頃から40年代にかけて、低学年の社会科や理科のあり方に関して様々な指摘がなされ、改善が図られた。昭和46年になると中央教育審議会は、特に低学年において「これまでの教科の区分にとらわれず、児童の発達段階に即した教育課程について再検討する必要がある」と指摘している。
(2)低学年教科の再構成
昭和50年代に入ると、低学年における社会科と理科の内容を中心とした新教科設定の考え方が出され、検討が進められた。しかしながら教科の再構成にまで意見はまとまらず、昭和52年の学習指導要領改訂にあたり、総則に「低学年においては、合科的な指導が十分できるようにすること」と記されるに留まった。ところが合科的な指導は必ずしも順調には実施されず、再び低学年教科の再構成が指摘され始め、改めて検討が始まった。
(3)新教科生活科への結実
昭和50年代後半から60年代初めにかけて、低学年教育...