『ロマン主義とは何か、
またその担い手たちはどういう意味で
ロマン主義的なのかをそれぞれ述べよ。』
ロマン主義とは、18世紀末から19世紀にかけてヨーロッパに起こった芸術上の精神運動の一つであり、従来の古典主義・合理主義の束縛を破って、感情・個性・自由の尊重、自然との一体感、神秘的・夢幻的なものへのあこがれを表現した思潮のことである。特に、詩の分野においてロマンティシズムの花が咲き、想像力こそ詩人を躍動させ、人間と宇宙の本質を洞察する力だと考えられた。ロマン主義の特性を敢えて分けるとすれば、次の三点に絞られる。一点目は、中世趣味や異国情調などに現れるような、時間的あるいは空間的に距離が存在するものへの憧れである。二点目は、自然、幻想的、怪奇的、非現実的というものの主張に見られる自然と超自然に対する驚異と熱愛である。三点目は、個性美の追求、社会慣行への反抗、古典主義様式からの自由の解放などのような革命的精神である。このように、ロマン派の詩人たちは詩の優越性を強く主張し、想像力と美に情熱を燃やした。
ロマン主義の詩人として先頭を切ったのは、ウィリアム・ブレイク(1757~1827)であ...