第二次世界大戦以前の道徳教育について述べよ。
江戸時代の教育は、武士階級の子どもは藩校で武士としてふさわしい教育が、庶民は寺子屋で庶民の日常生活に必要な教育が、それぞれなされていた。藩校では、朱子学のもとで儒教的倫理観を教えていた。寺子屋では、為政者たちの支配を持続するために、封建的な教材を限定的に使用させていた。とりわけ、女性の身分は男性よりも低く、絶対的に服従するよう教育されていた。
そんな中、人間性を求め、人間らしく生き甲斐を持って自分を生かしていこうとする石門心学が出現した。我が国における人間尊重思想の原点ともいえる。
明治時代、学制初期の道徳教育は、天皇中心主義を示した「五箇...