西洋世界によるイスラーム誤認

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     西洋世界によるイスラーム誤認の一例にしてその最大のものの一つとして、「自由」の価値についての認識の相違がある。「自由」の価値概念は西洋とイスラーム世界において根本的に異なるため、しばしばその誤認と無理解は衝突を生み、またその原因にも関心が払われていないため、事態は深刻さを増しているのが現状である。以下ではその相違点に着目した上で、「和解」のための端緒を考えていきたい。
     西洋世界は近代化の過程で、人間の理性にもとづく価値体系・社会規範を築き上げ、宗教から脱し合理化していく過程こそが人類の進歩だとみなすようになった。その過程で登場したのが、現在の欧米諸国が掲げる自由と民主主義という理念であった。西洋世界は宗教から脱し神から離れること、すなわち世俗化することが「自由」を意味していたといえる。
    一方、イスラームの信仰の中に生きているムスリムにとって、イスラーム規範つまり「神の法」こそが歴史的に唯一絶対の価値であり続け、人間の手による社会の進歩などは認めることはなかったため、民主主義や「個人の自由」といった概念に特別な価値を見出すことはなかった。ムスリムにとっての「自由」はイスラームの実践、...

    コメント1件

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    西洋世界によるイスラーム世界の誤認の構造について、「価値」の違いという側面から論じています。
    「自由」「民主主義』といった一見自明の概念がイスラーム世界の人々には通用しないこと、それによりどのような問題が生じているのか、考えています。
    2010/01/07 22:51 (14年11ヶ月前)

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