書評 少年法の歴史的展開〈鬼面仏心〉の法構造

閲覧数2,743
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員1,100円 | 非会員1,320円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    書評 森田明 著 『少年法の歴史的展開〈鬼面仏心〉の法構造』 2005年 信山社
     犯罪少年・非行少年に対する処遇をどのように捉え、どのように施行するか。少年を、その未成熟さ、可塑性ゆえに保護対象とし、寛大な処遇(保護)を行うべきか。それとも、少年にも一個人としてその行為に相応な責任を問い、厳格な処遇(刑罰)を行うべきか。そのような二律背反的とも思われる少年の処遇という問題に対して、日本は歴史的にどのような立場をとってきたのか。その点を理解し、考察することが本書の目的であるだろう。

    明治40年刑法改正とともにおこった、翌41年の“感化法の一部改正”と時を前後して、

    大正少年法という立案がその姿を現し始め、その立案は、当時のアメリカで台頭していたパレンス・パトリエの教義に影響を受けた。しかし、日本の少年法はアメリカの影響を受けつつも、日本独自の少年法を作り上げていく。本書は、アメリカ少年法と日本少年法を比較しながらも、日本の少年法立案から成立、定着までの過程に焦点をおくことで、日本固有の少年法の性格・理念を論じているものである。結論から言えば、日本はアメリカのように保護的処遇一色、あ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。