1.ローマ帝国においては、古代においては例外的に取引が活発に行われ、その取引にまつわる紛争とその解決方法についての先例が積み重ねられ、それらは6世紀に皇帝ユスティニアヌスの命により「ローマ法大全」として集大成された。ローマ帝国滅亡後の中世ヨーロッパにおいてはローマ法が使われることが多かったが、このことは、ローマ法が実際の紛争を解決できる法であったからであり、「ローマ法は、帝権の故にではなく、理性の力によって継受された」とも言われている。
2.ローマ法の継受は3期に区分することができる。①中世初期のゲルマン部族法におけるローマ卑俗法の継受②15~16世紀の中世イタリアの普通法(注釈学派、後期注釈学派によって加工されたローマ法)の継受③19世紀のパンデクテン法学によるローマ法の継受(後期継受)である。
ローマ法の継受は、中世の帝国がローマ帝国を承認したものとする考え方に基づき、法学者がユスティニアヌス法典を「書かれた理性」とみて、法的問題解決のよりどころとしたことにある。
3.中世ローマ法学の成果は広くヨーロッパ全体に影響を及ぼしたが、なかでもドイツでのローマ法の浸透・同化の過程は「継受...