刑事政策 罰金刑の現代的意義について

閲覧数4,403
ダウンロード数19
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    罰金刑の現代的意義について論ぜよ。
     1、罰金刑は、裁判による一定金額の徴収を内容とする刑罰であって、財産上の利益の剥奪を意味する財産刑を代表する、古い歴史をもつ刑罰であるが、自由刑などに比べて刑事政策的意義などについてそれほど重要視されることなく推移してきた。
     しかし20世紀に入り、罰金刑は、自由刑を補充しさらにこれに代替する刑罰として重要性を加え、特に近時の夥しい過失犯又は行政犯への適用によって、その数量的重要性の増大において顕著なものとなり、最近では、その刑事政策的意義が強調せられるようになった。
     我が国の現状では、過去10年間における全事件裁判確定人員の約90%が罰金刑で占められている。このように罰金刑が多用される理由としては、第1に、近年における自動車の普及とそれに伴う道路交通法違反事件等の急激な増加、第2に、近年において自由刑に対する不信の念が高まったことが挙げられる。特に、短期自由刑が受刑者の改善に役立たないばかりか、却って受刑者の性格を悪化させる恐れがあり、また、その一般予防効果も期待したほどではないことが一般的に認められるに至り、こうした短期自由刑の弊害を避けるた...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。