刑法答案練習 名誉毀損罪における真実性の錯誤
【問題】
名誉毀損罪における真実性の誤信について自説を述べ併せて反対説を批判しなさい。
【問題点】
名誉の保護(憲13条)は表現の自由の保障(憲21条)と調和したものでなければならなく、そのため、真実性の証明に関する規定がある。
しかし、裁判時に真実と証明できるかは、行為時には不確実な事後の事情に依存するので、裁判で証明できなければ処罰を免れないというのであれば、憲法で保障された表現の事由が損なわれる。
・・・そのため、真実と証明できなかった場合でも、公共性のある事実について、それが真実であることにつき相当な根拠・資料に基づいてなされた言論であれば、処罰するべきでないという見解が一般的。
⇒ その理論構成をどうするか問題となる。
【見解】
大別すると・・・
1)責任論からのアプローチ
2)違法論からのアプローチ
3)過失論からのアプローチ
【答案例】
1 名誉毀損罪が成立するには、適示した事実の真否は問わない(刑230条1項)。人が社会生活を円滑に行うためには、たとえ、虚名であっても、人に対する社会的評価が保護されなければならないからで...