中国市場開放におけるSPA業界の展開
WTO加盟は、これまで閉鎖されていた中国市場を世界の国に開放したため、世界の有力企業が一斉に参入し、国際競争力のない産業、例えば自動車産業は、たちまち淘汰されるだろう。それでも中国がWTO加盟を望んだのは、その他の産業で外貨を稼ぐ自信があるからであり、総合的に見れば中国の経済発展につながると判断していたためである。中国が最も国際競争力を持ち、外貨を獲得できる産業とは、繊維ファッション産業である。その背景に日本の商社、特にアパレル企業も中国への生産シフトを加速している。現在、日本ではアパレル製品の7割が輸入品であり、そのうち8割が中国製である。国内製造業の空洞化が心配されているが、中国生産の勢いは止まりそうもない。
こういう流れの中で、鮮明な一旗をあげたユニクロであった。中国進出に伴って企業規模が確実に拡大にしてきたユニクロは低価格高利益システムを可能にしたのは、「少品種大量生産」のメリットを完全に享受した仕組みである。ユニクロはこの仕組みをSPA(製造小売業態)として川上から川下に渡って徹底して作り上げたのである。ベーシックカジュアルという衣料品の...