児童サービス論Ⅰ

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    資料の原本内容

    子供に読書をさせる意義について論じなさい
    始めに
     私がこの設題を選んだのは、自分が幼いころよく本を読み、その効果をよく知っているからである。参考文献のほか、自身の経験を上乗せしたレポートが書けると思う。
    Ⅰ、読書の効用
     読書がもたらす効用は多岐に渡ります。読書というのは記号である文字を読むことですから、理解力が要求されます。読書を積むことにより、理解力が向上します。理解力が上がり、語彙も増えるので、表現力もつきます。さらに、読書は行ったことの無い場所、行くことの出来無い時代、会うことのかなわない人物などと自分を引き合わせてくれます。本の中では剣をとり、盾を携え、ドラゴンの背に乗って大空を駆け巡ることも出来ます。既知の世界を再認識し、未知の世界を経験するのですから、想像力が養われます。理解力と想像力が豊かになれば、推理力・応用力も身につきます。
     このような理解力・表現力・推理力・応用力などの力こそ、真の学力というのだと私は思います。学校の成績だけが学力ではありません。しかも、これらの学力は学校でのテストにも応用が利きます。 
     私は、読書の最大の効用は「経験の拡大」にあると思います。人間の想像力は、その人の経験量に比例します。逆に言えば、想像力はその人の経験の範囲を超えることは決してありません。それは個人の場合だけでなく、人類全体に置き換えても同じです。
     想像力は創造力に繋がります。豊かな想像力を得ようとすれば、経験量を出来るだけ多くすることです。しかし、人間に与えられた時間は決して多くありません。たいていの人間は30億秒すら生きることなく死んでいきます。いかに好奇心が旺盛で、何でもやろうとしても、実際に体験できる量は限られています。
     そこに、読書の意義があります。なぜなら、読書は読者が直接的には経験できない時代や場所、事件や行動を間接的にですが体験させてくれます。こうした間接経験を積むことにより、結果的に豊かな経験量が身につきます。それが想像力などの土台となり、ひいては読書の世界の魅力を増すことになります。
    Ⅱ、教育的効果
     このように、読書には教育的効果を見込むことが出来ます。これを狙ってか、国語の学習指導要領には読書指導が載り、読書を重視する塾もあります。また、学校ではよく読書感想文が課せられます。
     私は、教育的効果を狙っての読書の推進を快く思っていません。子供に何かさせようと思うときに、絶対にしてはならない2つの事は「強制」と「禁止」です。やるなといわれるとやりたくなり、やれといわれるとやる気を無くすのは、大人も子供も同じです。読書感想文は読書を「強制」し、感想を書くことを「強制」します。これでは多くの子供が読書感想文を嫌うのも無理はありません。
    Ⅲ、まとめ
    読書はこの上なく楽しく、無条件に面白く、またとない魅力を備えていると私は思います。私自身、その魅力にとりつかれた一人で、幼いころはあさるように本を読みました。今でこそ落ち着きましたが、本好きなのは変わりません。
     私が読書好きになったのは、母が本好きだったことが最大の理由だと思います。母は私にとにかくよく本を読んでくれました。当時の私は「機関車トーマス」と「お化けのバーバパパ」が大のお気に入りで、ほぼ全シリーズを繰り返し、何度も読んでとせがみました。 母はいやな顔一つせず私の希望を聞いてくれました。結果、今の私がいます。
     読書には高い教育的効果を見込むことが出来ますが、だからといって強制することはよい結果をもたらしません。理想は自主的に本を読むようになることですが、それには一番近い存在である家族の(特に母親の)協力が不可欠です。
     本を読む喜びは、何にも変えがたいものがあります。それだけでも、子供に読書をさせる意義にはなると思います。
    参考文献
    1、鳥越信「子どもの本の選び方。与え方」大月書店 1982
    2、外山 滋呂古 「知的創造のヒント」講談社 1987
    3、「図書館とメディアの本 ずぼん⑥」ポット出版 1999
    4、日本図書館情報学会研究委員会編「図書館を支える法制度」勉誠出版 2002
    5、竹内 「共生する子どもと図書館」久山社 2004
    6、竹内 「ひとの自立と図書館」久山社 2004
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