設 題
⇒英語と日本語の文法構造または語彙構造を比較対照し、両者の違いを論ぜよ。
現在、世界には千を超える言語が存在すると言われている。言語はその場所の文化、習慣、環境、生活様式などが大きく反映されている。Aの国にあるものがBの国にない場合、Bの国にはそれにあてはまる言葉が存在しないのだ。例として、形容詞「懐かしい」という日本語は英語には存在しない。もちろん“good old”“long-forgotten”などと表現できるが、形容詞一語では表せないのだ。「懐かしい」という言葉には日本人の思慮深い考えが表れているといえる。また、両者に存在していても、その価値観などの違いから、一つのものに対して語彙が細分化されていたり、あるいは、集合的にいくつかのものを包括して表現したりする。有名なものに、雪に囲まれて生活しているイヌイットの言語には「雪」一つをとっても約100通りの呼び名が存在するということが挙げられる。本稿では、日本語と英語の両者の文法構造、語彙構造の点における相違を、具体例を挙ながら論述していく。
まず、文法の面からみて、日本語と英語の一番大きな違いは、語順の並びであろう。日本語...