運動学 運動発達
◆運動発達の機序
頚定、寝がえり、はいはい、つかまり立ち、伝え歩き、ひとり立ち、歩き始めが発達の流れである
座位からつかまり立ちしすぐに歩く子や、座位の後下肢をつかいいざって移動し歩行開始が1歳6か月以降になるなど正常でもいろいろある
おもな運動発達
頚定(首の座り):乳児の首を支えないで立て抱きにできる状態
3~4か月で坐るが体を斜めに傾けたり横抱きにしても頚がしっかりしてくるのは5か月以降である
寝がえり:背臥位から腹臥位へ、腹臥位から背臥位へ寝返ることをいう。
5か月ごろから行うが最初は一方向のみが多い
背臥位から腹臥位、腹臥位から背臥位は6~7か月以降に見られる
坐位(おすわり):お座りには4種類あるがどれも個人差がある
腰を支えると座れる (5か月)
背を丸くして両手をついて坐る (6か月)
背を伸ばして手を離して坐る (7か月)
座ったままで体をねじって横や後ろのものをとれる (8か月)
はいはい:臥位で移動することをいう。
最初は後ろや回るだけだが、8か月ころから前へ進むようになる
歩きはじめ
1歳・・・・・50%
1歳2カ月・・・75%
1歳6カ月・・・90%
いざって移動する(シャフラー) 1歳6か月~2歳
成人のように歩行可能・・・3歳前後 スキップ・・・5歳
走る・・・2歳前後
片足立ち・・・3歳前後
片足飛び()片足ケンケン)・・・4歳
幼児の運動発達
1歳・・・伝え歩き、独り立ち、小さいものを指先でつまむ、積み木を重ねて遊ぶ
1歳6か月・・・よく歩く、手を引いて階段をあがる、鉛筆を持ってなぐり書きをする
2歳・・・走る、積み木を3つ積む、大きいボールをける
3歳・・・よく走る、足を交互に出して階段をのぼる、まねて○を書く
4歳・・・片足ケンケンができる、まねて三角を書く、交互に足を出して階段を降りる
5歳・・・スキップ、でんぐり返し、まねて四角を書く
発達検査
発達検査には 新版K式、WISC-Rなどがある
簡易発達スクリーニングとしては、津守、稲毛式、遠城寺式、デンバースケールが使用
デンバースケール・・・発達分野を個人・社会、微細行動、言語、粗大運動に分け
それぞれの各発達項目が 25% 50% 75% 90%
の通過月例が長方形で示される
運動学ver
発達段階:運動発達は運動機能が成長に伴って、分化、多様化、複雑化してゆく過程
運動機能の発達は秩序ある過程を経て進行する
運動行動は暦年齢におよそ一致して変化していくが、運動能力や技能は素因、身体成長の程度、性差、性格、これまでの経験などの影響をうけている。そのため児童期以降では暦年齢と発達年齢の間にしばしば不一致がでてくる。
歴年齢別の運動発達の特徴
◆乳児(一歳未満):運動発達は身体成熟過程によって決定される。生後しばらくは運動発達は①頭部から尾部 ②近位から遠位への順で起こる。運動はあまり制御されず疲れやすい
◆幼児(1~5歳):運動課題の発達では触覚や運動覚が利用される。運動の促通や抑制は不十分で運動が過剰で疲労しやすい。走行や跳躍、キャッチボールのような複合した運動も可能になる
◆学童(6~12歳):運動の制御や調節のような協調性や技能は急速に向上する。身体的状況や運動経験の豊富さ、情緒的安定から10~12歳が運動学習にとって最適とみなされる。
◆青年期(12~14歳):二次性徴かあらわれ身体像の変化が運動素因にも影響する。この時期の発達過程は、それ以前の達したパフォーマンスレベル、また訓練の強度や時間に影響される。運動発達からみれば個人差は大きくなる。
青年後期(15~18歳):運動能力は安定し、パフォーマンスは訓練の強度、期間や質 および社会的要因に影響する
小児の歩行 発達段階
◆1~2か月:初期起立(体幹を支えて足底を床につけると足底への刺激が支持反応を誘発してあたかも立位を保持するかのように両下肢が伸展する)や自律歩行(初期起立の姿勢で体幹をやや前傾させると、あたかも歩いているかのように交互に下肢を踏み出す)がある
◆3か月:初期起立および自律歩行は消失して、起立不能、歩行不能の段階に至る
◆5か月:体幹を支えて立位を保持すると、ほとんど全体重を足底で保持する
◆6か月:体幹を支えて立位保持すると、その場で足踏みをするように跳ねる
◆8か月:ものにつかまって立ちあがる
◆11か月:ものにつかまって立ったり座ったりする、つかまり歩き、両手支持である。
◆12か月:座位から立ち上がり、片手支持なしで一人歩き(処女歩行)ができる
◆18か月:あまり転倒しないで、はやく歩ける
◆2歳:転倒しないで走る
◆3歳:片足立ちができる
◆6歳:成人型の歩行になる