我が国の社会保障の歴史は明治7年の恤救規則の施行で始まった。恤救規則の概要は、イギリスの救貧法に相当するが、権利性を欠く、制限的・恩恵的な仕組みで、家父長主義的な扶養を提供するものにすぎなかった。また、社会福祉の多くは民間の社会事業家に委ねられていた。
日本で最初の社会保険は、昭和2年に施行された健康保険法である。また、農村に対する救済策として昭和13年に国民健康保険法(旧法)が制定されている。
昭和16年には、労働者を対象とした年金保険制度が創設され、その後、対象を職員や女子にも拡大する形で昭和19年には厚生年金保険法が制定されている。
第二次世界大戦後は、引揚者や失業者などを中心とした生活...