高齢者の介護は誰が担うべきか
高齢者の介護を誰が担うかという問題について、以前は家族が一番と単純に考えていた。
家族のほうが愛情を持って細やかに接することができる。介護される側も、家族のほうが遠慮も気兼ねもしなくて済むのではないか。
だが、2000年に介護保険制度が導入され、「高齢者を家族で介護するべき」という考え方から「社会で介護するべき」という考え方に変わってきた。
また、私の親戚は、嫁の世話になるよりプロの世話になるほうが気楽らしい。家族に介護されたい人、されたくない人、人それぞれだと思う。それぞれの家庭にとって介護者要介護者共に望む介護のあり方があり、それに基づいた介護ができることが理想ではないだろうか。
今年2月に京都市で介護疲れと生活の困窮から、認知症の母親を殺害した事件が起きた。家庭での介護の限界を感じさせる事件だ。介護に手がかかり働けない、けれど生活保護を受けることができない。介護保険や生活保護行政の在り方も問われている。
この事件では、執行猶予判決が言い渡されたが、同様に介護疲れから夫や妻を殺害するケースが報告されている。もっと介護サポートを受けることができない...