歴史系展示観覧記~パルマ美術
始めに
先日、国立国会美術館を訪れ、「パルマ―イタリア美術、もう一つの都」を観覧して来た。そこで改めて芸術の素晴らしさ、そしてその芸術を育んだ歴史の素晴らしさを実感した。
また、ルネサンス期やマニエリスム期の作品は宗教画がほとんどであることから、この時代の背景を踏まえ、宗教画がなぜ描かれたのか考えてみる。
1.もう一つの都
14世紀~16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典・古代の文化を復興しようとする歴史的・文化的活動をルネサンス(Renaissance)と呼ぶ。イタリアはフィレンツェを中心に展開した。
パルマの美術は、後のバロック美術に影響を与えるなど、歴史的に極めて重要な役割を果たしていたにもかかわらず、あまり詳細な研究が進められてこなかった。20世紀末になって、ようやく古文書の再検討やこれまで注目されなかったパルマの地元の画家たちの研究がなされ、パルマ美術の重要性が認められるようになった。
2.画家
コレッジョは、本名はアントニオ・アッレグリで生地の町にちなんでコレッジョと呼ばれている。ルネサンス期やマニエリスム期に活躍したエミリア派の...