昭和30年代の文学状況

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    戦後の日本での大衆社会では、教育の大衆化、普通選挙、国民主権などの基本的な民主化が実現したことから始まっている。その上に、朝鮮戦争以後の高度経済成長によって、生活水準が格段に上がり、昭和三一年の経済白書に記されたように、「もはや、戦後ではない」という言葉が流行した。
     文化的には昭和二八年にテレビ放送が開始され、日本のマスメディアを急速に加速させていった。出版界では、新書ブーム、週刊誌創刊ブームなど、低コストで大量出版が可能である形態に移りつつあった。新書ブームは昭和二九年に、「女性に関する一二章」(中央公論社)に代表されるように、廉価本として出版された。これら新書が多くのベストセラーを生み出した背景には、読者のニーズに基づくテーマ設定に始まり、著者選定、執筆内容への関与、新聞広告による需要の喚起など、出版での殆どの局面が編集者によってコントロールされる出版形態であったからである。
     一方、週刊誌では、今までの新聞社による週刊誌ではなく、出版社系の週刊誌第一号である「週刊新潮」が発刊された。これに伴い多くの出版社が続々と週刊誌を創刊したことによりブームと言われる。本来は広告収入と一定の...

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