「比較文学」とは何か、その目的および様々な方法について述べよ。
「比較文学」とは何か、その目的および様々な方法について述べよ。
「比較文学」とはフランスで、国民文学のみの文学研究に対し、これを補強及び拡充する目的で起こった学問である。その後、ドイツやイタリア等をはじめとした世界諸国に広がっていった。当初は一国文学の研究を補うものという性格で構想されていたが、現在では「比較文学」の窮極の目的は「相対としての文学の把握」にある。つまり、「世界文学」研究を試みるという性格の物へと変化したのである。例えば、日本文学を例にとってみれば、これを中国文学や欧米文学と比較し、その関係を研究して、世界文学という流れの中に日本文学を位置付けようとする試みる事なのである。そして、この「世界文学」研究を試みる為に、「比較文学」が取り扱う領域は拡大していき、極めて複雑多岐な様相を見せている。これは、研究が文学のみならず他の分野にも広がりを見せている事にも起因する。
「比較文学」研究には、具体的関連性のある外国文学との関係において、これら相互を「比較」し、その影響を研究する研究と、まったく関連性の無いと見られる文学作品を「対比」し、時間や場所を超えて共通のモチーフがどのよ...