企業の定義と製品・市場戦略、ポジショニング
事業の定義が持つ意味はレベルごとに異なる。ここではそのレベルを、全社レベルと事業レベル、プログラムレベルの3つに分け、各レベルにおける定義付けの考え方を考察することにしよう。
<全社レベル>
全社レベルでは、関連多角化をどのように定義するのかという点について考察する。関連多角化とは、ある活動を行うために何らかの資源を事業間で共有している状況を指す。この資源の共有は、顧客集団や顧客機能、技術が類似している場合に起きる。したがって、関連多角化は、顧客集団や顧客機能、技術を変化させることで実行できる。
<事業レベル>
事業レベルでの定義はこれまで製品・市場という観点からなされていたが、顧客集団や顧客機能、技術の3軸にそって考えるべきである。このとき、製品は3軸の選択の結果として表れるのである。
<プログラムレベル>
■用語の整理
プログラムレベルにおいては、事業の定義と伝統的なマーケティングの概念を関連づけるために顧客集団を顧客セグメント、顧客機能を顧客ニーズ、技術をマーケティングミックスとして言い換えることにする。...