頚髄損傷、頚髄不全レポート

閲覧数6,565
ダウンロード数8
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    シンプルにまとめ、大事なところをしっかりおさえています。

    【脊髄損傷の原因、発症数】
     国内での脊髄損傷者9752例の集計の結果、頚髄損傷7317例、胸腰髄損傷2401例で、その比率は3:1、麻痺の重症度は、完全麻痺は頚髄損傷で21、2%、胸腰髄損傷で39、8%であり、頚髄損傷では不全麻痺が多い。男女比は4:1、受傷時の年齢は20歳と50歳にピークがある。受傷の原因は交通事故が43、7%を占めるが、高年齢層では転落・転倒が多く見られた。以上の結果から、脊髄損傷のうち、70~75%は頚髄損傷であり、そのうちの65~70%は不全損傷、したがって全脊髄損傷の約半数は不全頚髄損傷である。 

    【脊髄の解剖】
     脊髄の横断面はアルファベットのH字形を示す灰白質とその外周の白質からなる。灰白質は前角と後角からなり、それぞれ運動系の神経細胞や痛覚など体性知覚細胞が存在する。白質は伝導路(索路)であり、脊髄神経節の細胞から上行する知覚性の神経線維と脳の各部位から下行する運動性の神経線維に分けられる。白質は前索、側索、後索から構成されており、前索には非交叉性の皮質脊髄路や上行性の脊髄視床路が走り、粗雑な圧覚や痛覚、温度覚を伝導する。側索は下行性の皮質脊髄路(錐体路)と呼ばれる運動性の太い繊維束が走り、大脳の運動野から出た80%の線維は延髄下部の錐体で交叉し、反対側の側索を下降する。後索には薄束、楔状束と呼ばれる上行性の知覚線維が走り、位置覚及び振動覚を伝える。
     白質は外側から中心に向かって仙髄、腰髄、胸髄、頚髄の順に伝導路が位置しているため、その中心部が損傷されると頚髄伝導路が障害を受けやすく、下肢症状が比較的軽度で上肢症状が重篤である中心性頚髄損傷が起こりやすい。また、不全麻痺の場合、肛門周辺の知覚が残存していること(sacral sparing)が重要であり、これは仙髄に行く知覚運動路が灰白質から最も離れた白質辺縁部を通っており、損傷を免れる可能性が高いためである。



    【受傷機転】
    〈骨折を有する場合〉
    〈非骨傷性頚髄損傷〉


    【障害の診断】

    【障害分類】
    〈中心性頚髄損傷〉
    〈脊髄前部損傷〉
    〈純粋な片側脊髄損傷〉
    〈脊髄後部損傷〉

    【合併症】
    〈呼吸器合併症〉
    〈泌尿器合併症〉
    〈皮膚合併症〉
    〈消化器合併症〉
    〈自律神経系〉
    〈異所性骨化〉
    【後方除圧術】

    タグ

    障害運動組織比較知覚神経合併原因血圧呼吸看護看護学

    代表キーワード

    看護

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    頚髄(不全)損傷について
    【脊髄損傷の原因、発症数】
     国内での脊髄損傷者9752例の集計の結果、頚髄損傷7317例、胸腰髄損傷2401例で、その比率は3:1、麻痺の重症度は、完全麻痺は頚髄損傷で21、2%、胸腰髄損傷で39、8%であり、頚髄損傷では不全麻痺が多い。男女比は4:1、受傷時の年齢は20歳と50歳にピークがある。受傷の原因は交通事故が43、7%を占めるが、高年齢層では転落・転倒が多く見られた。以上の結果から、脊髄損傷のうち、70~75%は頚髄損傷であり、そのうちの65~70%は不全損傷、したがって全脊髄損傷の約半数は不全頚髄損傷である。 
    【脊髄の解剖】
     脊髄の横断面はアルファベットのH字形を示す灰白質とその外周の白質からなる。灰白質は前角と後角からなり、それぞれ運動系の神経細胞や痛覚など体性知覚細胞が存在する。白質は伝導路(索路)であり、脊髄神経節の細胞から上行する知覚性の神経線維と脳の各部位から下行する運動性の神経線維に分けられる。白質は前索、側索、後索から構成されており、前索には非交叉性の皮質脊髄路や上行性の脊髄視床路が走り、粗雑な圧覚や痛覚、温度覚を伝導する。側索...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。