近年、経済発展が目覚しい中国を軸に東アジアの経済発展と日本の関係を見てみる。
90 年代末期になって中国が「世界の工場」として生産力を急速に高めている。中国の工業力は沿海州に偏在し、それは外資に依存する性格が強いとはいえ、地場産業の形成が自立的に進み出すなど進展している。しかも、その中国が昨年12 月WTO に加盟し、世界の自由貿易体制に組み入れられつつある。こうした事実は何を意味するだろうか。それは、中国の産業競争力が急速に強まることで、もともと政治・軍事力の強い中国が同時に経済力を強めて世界でその存在感を強めている。
東アジアの経済発展と日本の関係について
近年、経済発展が目覚しい中国を軸に東アジアの経済発展と日本の関係を見てみる。
90 年代末期になって中国が「世界の工場」として生産力を急速に高めている。中国の工業力は沿海州に偏在し、それは外資に依存する性格が強いとはいえ、地場産業の形成が自立的に進み出すなど進展している。しかも、その中国が昨年12 月WTO に加盟し、世界の自由貿易体制に組み入れられつつある。こうした事実は何を意味するだろうか。それは、中国の産業競争力が急速に強まることで、もともと政治・軍事力の強い中国が同時に経済力を強めて世界でその存在感を強めている。
最近における中国経済の動向を簡単にみてみる。近年、中国は「世界の工場地帯」として、驚くべきスピードで日本を追い上げている。中国のGDPは世界第9位、輸出額は第7位である。2000年には、東アジアで日本に次ぐ2番目の経済大国になった。中国が世界生産のランキングで第1位をしめているのは、カラーテレビ、エアコン、洗濯機、電話受話器、オートバイなどの工業品である。どれも、日本が世界市場をリードし、独壇場だった分野である。とくに、香港・広...