はじめに
前期の世界の文学Cでは、ポーランド・ロマン主義について詳しく学んだ。文学に焦点を当て、そこからポーランド最大のロマン派詩人であるAdam Mickiewicz(ミツキェヴィチ)などについても学び、彼の作品で、ポーランド・ロマン主義文学の最高傑作と言われている「パン・タデウシュ」の映画版である「パン・タデウシュ物語」や、「婚礼」などといったものも見た。これらを元に、このレポートでは前期に習ったポーランド・ロマン主義について詳しく見ていきたい。まず、第一章では、そもそもロマン主義とはどういったものなのかということを取り上げる。第二章ではポーランド文学におけるロマン主義の存在、そして第三章ではミツキェヴィチについて見ていく。
第一章 ロマン主義とは
まず、この章ではロマン主義とは何なのかということから見ていきたい。ミェチスワフ・ポレンプスキによると、ロマン主義という言葉の語源はlingua romana(ローマ語)であり、この言語で書かれた文学をromanca、romansと言う(『ロマン主義の概念』3・授業用プリントから)。 romanticは、中世のロマンスのように「空想的な、物語的な」という意味である。ロマンスとは、中世ヨーロッパにおいて、ラテン語で書かれたものに対し、俗語であるロマンス語によって書かれた物語のことで、歴史物語に始まり、その後宮廷恋愛や騎士道を題材としたものになっていった。初めは韻文で、のちに散文で書かれるようになり、小説の母体のひとつとなったことで知られている。しかし、もともとはこの「ロマンス」のような「空想的な、物語的な」という意味であったromanticは、自然に対する抒情的な感覚をも指すようになったのである。
ロマン主義は18世紀後半から19世紀初頭のヨーロッパにおける芸術運動のことであり、新古典主義や合理主義への反動として起こったものである。
はじめに
前期の世界の文学Cでは、ポーランド・ロマン主義について詳しく学んだ。文学に焦点を当て、そこからポーランド最大のロマン派詩人であるAdam Mickiewicz(ミツキェヴィチ)などについても学び、彼の作品で、ポーランド・ロマン主義文学の最高傑作と言われている「パン・タデウシュ」の映画版である「パン・タデウシュ物語」や、「婚礼」などといったものも見た。これらを元に、このレポートでは前期に習ったポーランド・ロマン主義について詳しく見ていきたい。まず、第一章では、そもそもロマン主義とはどういったものなのかということを取り上げる。第二章ではポーランド文学におけるロマン主義の存在、そして第三章ではミツキェヴィチについて見ていく。
第一章 ロマン主義とは
まず、この章ではロマン主義とは何なのかということから見ていきたい。ミェチスワフ・ポレンプスキによると、ロマン主義という言葉の語源はlingua romana(ローマ語)であり、この言語で書かれた文学をromanca、romansと言う(『ロマン主義の概念』3・授業用プリントから)。romanticは、中世のロマンスのように「空想的な、...