― 地域格差を要因とする改善モデルの提案 ―
スコアリングモデル, 消費者信用, クレジットリスク, 社会的スティグマ, 個人破産
消費者信用ビジネスにおけるクレジットリスクの構造分析
― 地域格差を要因とする改善モデルの提案 ―
Keywords : スコアリングモデル, 消費者信用, クレジットリスク, 社会的スティグマ, 個人破産
研究の目的
本研究の目的は、消費者信用ビジネスを対象とするスコアリング
モデルの計量精度を向上させることにある。デフォルトを予測する
外生変数として、地域の経済イベントをモデルに組み込むことによ
って予測精度が向上することを確認した。
近年不良債権問題に解決の目処をつけた大手銀行の間では、消費
者信用ビジネスを取り込む動きが活発化している。従来銀行は「サ
ラ金」や「グレ-ゾーン金利」の問題から、消費者信用ビジネスの
分野にはあまり力を入れてこなかった。しかしリテール分野の強化
い収益モデルを求めて消費者信用市場に注目している。またスコア
リングモデルが注目される理由はリテール分野のみならず、中小企
業金融の分野でも顕著である。
以上のようなクレジット業界を取り巻く昨今の経営環境を踏まえ
ると、消費者信用ビジネスにおけるクレジットリスクの計量精度を
...