デモクラシーはその対偶として何が置かれるかによってその意義を変動させてきた。哲人政治が念頭に置かれたとき、デモクラシーは暴徒の支配とほぼ同意義であった。絶対主義的専制政治が対偶概念に置かれたとき、それは人民の直接的政治参加を指した。身分制議会と君主の統治がおかれたときは、代議制・普通選挙制の獲得運動をさした。これらに共通する核とはなんだろうか。イギリスの政治哲学者は「曖昧ではあるが、その根本にはすべて人民の権力という理念があり、権力とおそらくは権威も人民の側にあるような状況が核となっている」と指摘している。
デモクラシーとはいったい何であろうか。歴史的な起源から見てみたい。
デモクラシーという言葉はギリシャが起源で、デーモスと権力、支配の意味のクラトスという二つの語からできた。デーモスは何をいうかはよくわかっていないが、アリストテレスにとってデーモスは貧者と同義語としている。
アリストテレスは民主制に懐疑的であった。アリストテレスは「よき民主制が成り立つとすれば、田舎に散在して居住しているために民会に参加しがたい人々が多い国においてである。」と述べている。これは重要な視点である。
「各国思想論 期末レポート」
デモクラシーはその対偶として何が置かれるかによってその意義を変動させてきた。哲人政治が念頭に置かれたとき、デモクラシーは暴徒の支配とほぼ同意義であった。絶対主義的専制政治が対偶概念に置かれたとき、それは人民の直接的政治参加を指した。身分制議会と君主の統治がおかれたときは、代議制・普通選挙制の獲得運動をさした。これらに共通する核とはなんだろうか。イギリスの政治哲学者は「曖昧ではあるが、その根本にはすべて人民の権力という理念があり、権力とおそらくは権威も人民の側にあるような状況が核となっている」と指摘している。
デモクラシーとはいったい何であろうか。歴史的な起源から見てみたい。
デモクラシーという言葉はギリシャが起源で、デーモスと権力、支配の意味のクラトスという二つの語からできた。デーモスは何をいうかはよくわかっていないが、アリストテレスにとってデーモスは貧者と同義語としている。
アリストテレスは民主制に懐疑的であった。アリストテレスは「よき民主制が成り立つとすれば、田舎に散在して居住しているために民会に参加しがたい人々が多い...