東京福祉大学通信教育課程「国語(書写を含む)」のレポート参考に。
「自分及び周囲に見られる日本語の表現や理解に関する疑問点・問題点を見つけ、その類型を集めると共に、その原因と解決法につて自分なりの見解を述べよ」
近年になってよく耳にする気になる日本語の表現として、ことわざの誤用が挙げられる。具体的には、「稲の成熟の前に、あらかじめ収穫量を見積もって産米を買い入れることから転じて、企業などが決められた新入社員採用試験よりも前に、優秀な人材確保のために学生・生徒の卒業後の採用を約束すること」を指す「青田買い」が、「青田刈り」として使用されることや、「物事の肝心な点を確実にとらえること」を指す「的を射る」が、「的を得る」と誤用されることなどである。
前者の「青田刈り」とは、「稲がまだ熟さないうちに刈ること」を指す。この二つのことわざの本来の意味は異なるものの、混同して使用されることが多く、現在では広辞苑を始めとした辞書にも「青田刈り」が「青田買い」と同じ意味を持つことわざとして明記されており、「誤用」と断定することは難しくなっている。後者については、「道理にかなっていること」を指す「当を得る」ということわざと意味が似ていることから、混同されるようになっ...