畜産物の安全性を担保する法制度的措置の効果と課題

閲覧数1,834
ダウンロード数14
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     日本は高度経済成長を通して食生活が多様化、高度化してきた。それまでの魚介類を中心とした日本的な食事のほかに肉類を中心とした欧米的な食生活が取り入れられるようになった。また戦後しばらくは食に対して量を満たすということが主眼に置かれてきていたが、高度成長後食糧の増産が成功したことと経済力がついたことで消費者は食の品質、食の安全・安心を求めるようになってきた。
     消費者が安全性に不安を感じているのは、順に「輸入農産物・輸入原料などの安全性」、「農畜産物の生産過程での安全性」、「製造・加工工程」となっている。このような消費者の食料の安全性に対する不安の背景には、輸入食料の増大、食生活の外部化・サービス化の拡大が進むにつれて食料の生産と消費の距離広がってきているということが考えられる。これは具体的には1つ目は生産者側と消費者側が一致していないこと、2つ目は多くの食料は農村地域で生産され、消費は都心部でなされるということ、また外国産の食料が多くを占めているということ、3つ目は輸送・保管・加工技術の進歩によっていつでも好きなものを食べられるようになったということがあげられる。こうしたことで消費者は誰がいつどこでどのよう作ったかを知ることが難しくなってきた。
     以上のような背景によって食品の安全性に対する不安を解消し信頼を回復するために、行政、食品関連事業者、生産者団体、流通業者などは様々な取り組みを行っている。例を挙げると農薬や飼料などの生産資材の取締りの強化と適正使用の推進、「ポジティブリスト性」の導入、地方自治体では農薬、化学肥料を削減して生産した農産物に対して独自に認証制度を設けるなどといった動きがある。法律上、制度上の取り組みとしてはトレーサビリティーシステムの導入推進、HACCP手法の導入、リスクコミュニケーションの推進ということが挙げられる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    畜産経営学レポート ③
    4、畜産物の安全性を担保する法制度的措置の効果と課題
    日本は高度経済成長を通して食生活が多様化、高度化してきた。それまでの魚介類を中心とした日本的な食事のほかに肉類を中心とした欧米的な食生活が取り入れられるようになった。また戦後しばらくは食に対して量を満たすということが主眼に置かれてきていたが、高度成長後食糧の増産が成功したことと経済力がついたことで消費者は食の品質、食の安全・安心を求めるようになってきた。
    消費者が安全性に不安を感じているのは、順に「輸入農産物・輸入原料などの安全性」、「農畜産物の生産過程での安全性」、「製造・加工工程」となっている。このような消費者の食料の安全性に対する不安の背景には、輸入食料の増大、食生活の外部化・サービス化の拡大が進むにつれて食料の生産と消費の距離広がってきているということが考えられる。これは具体的には1つ目は生産者側と消費者側が一致していないこと、2つ目は多くの食料は農村地域で生産され、消費は都心部でなされるということ、また外国産の食料が多くを占めているということ、3つ目は輸送・保管・加工技術の進歩によっていつでも好きな...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。