壊疽性膿皮症pyoderma gangrenosumについて

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    資料紹介

    【定義、概念】
    壊疽性膿皮症は、慢性に続き再発を繰り返す,炎症性,破壊性の潰瘍性皮膚疾患で、はじめ有痛性の結節ないし膿疱が拡大破裂して急速に拡大する潰瘍となり、その周辺部は堤防状に隆起し、圧痛があり,しばしば穿掘性である。皮膚所見は非常に特徴的であるが、検査所見,病理組織像は非特異的である。
    病変は単発ないし多発し、しばしば潰瘍性大腸炎、Crohn病、大動脈炎症候群、関節リウマチなどの全身性炎症疾患を合併するが、基礎疾患のない例もある。
    Sweet病、Bechet病、角層下膿疱症などとともにneutrophilic dermatosis(好中球性皮膚疾患)に分類されるが原因は不明である。

    【臨床症状】
    皮疹は全身のどの部位にも生じうるが、下肢、特に下腿の前面に好発する。本症の最も特徴的臨床所見は辺縁が赤紫色に堤防状に隆起し、中央部が黄色壊死性の、湿潤した潰瘍である。初発疹は有痛性の結節ないし小膿疱であり、軽微な外傷や術創部に続発する事も多いが、何の誘因もなく生じる場合もある。結節ないし膿疱はすぐに破れて潰瘍となり、血清の膿汁を生じるようになり,遠心性に拡大する。浅在性のものは真皮までの深さにとどまるものもあるが、脂肪組織、あるいは筋膜まで到達するものもある。病変は単発のこともあるが、多発して互いに融合し、多中心性の不規則な形の潰瘍を形成することが多い。
    臨床経過は大きく2つのパターンに分けられ、1つは急激な発症と急速な病変の拡大を特徴とする経過をとるもので、激しい疼痛、発熱、広範な壊死と、周囲に強い炎症を伴なう潰瘍を特徴とする。もう一つは、くすぶり型の緩徐な経過をとり、病変部の肉芽腫性変化を示し、ゆっくりと拡大する。両方とも自然寛解が認められることがあり、病変部は萎縮性の蜂巣状の瘢痕となる。

    【病理、検査所見】
    病理学的所見は非特異的でこれのみで診断できる特徴をもたない。

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    壊疽性膿皮症pyoderma gangrenosumについて
    【定義、概念】
    壊疽性膿皮症は、慢性に続き再発を繰り返す,炎症性,破壊性の潰瘍性皮膚疾患で、はじめ有痛性の結節ないし膿疱が拡大破裂して急速に拡大する潰瘍となり、その周辺部は堤防状に隆起し、圧痛があり,しばしば穿掘性である。皮膚所見は非常に特徴的であるが、検査所見,病理組織像は非特異的である。
    病変は単発ないし多発し、しばしば潰瘍性大腸炎、Crohn病、大動脈炎症候群、関節リウマチなどの全身性炎症疾患を合併するが、基礎疾患のない例もある。
    Sweet病、Bechet病、角層下膿疱症などとともにneutrophilic dermatosis(好中球性皮膚疾患)に分類されるが原因は不明である。
    【臨床症状】
    皮疹は全身のどの部位にも生じうるが、下肢、特に下腿の前面に好発する。本症の最も特徴的臨床所見は辺縁が赤紫色に堤防状に隆起し、中央部が黄色壊死性の、湿潤した潰瘍である。初発疹は有痛性の結節ないし小膿疱であり、軽微な外傷や術創部に続発する事も多いが、何の誘因もなく生じる場合もある。結節ないし膿疱はすぐに破れて潰瘍となり、血清の膿汁...

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