マルチメディア情報処理とは、従来の通信、放送といった異なったサービス形態を融合して、音声・文字・静止画・動画をデジタルで高速に送受信できる形態を利用した情報処理のことである。それに対して、マルチモーダル情報処理とは、人間のあらゆる感覚チャネルを利用した情報伝達形態、すなわちマルチモダリティにおいての情報処理のことである。最近のコンピュータは、こうした技術を使えるように聴覚や力覚の表示・認識の能力を備えるようになってきている。
例えば、インターネットについて考えてみよう。このとき、インターネットを利用してデータや画像などを視覚、または聴覚のみで取り入れ、状況判断や意志決定を行うのがマルチメディア情報処理である。一方、様々なデータを視覚・聴覚のみならず、様々な五感を通してそれを行うのがマルチモーダル情報処理である。マルチモーダル情報処理を利用すれば、感覚を共有することで複数の人間とコンピュータが協同し、能率良く、また効果的に仕事をすることができる。
具体的には、サイエンティフィックビジュアリゼーションシステムがあげられる。これは人間の疑似力覚発生メカニズムを利用したもので、ユーザは普段使っているマウスを通してラバーバンドの「硬さ」を感じることができる。また、カーソル位置を知りたいデータに合わせるだけで、そのデータの大まかな大きさが分かるようになっている。このようにマルチモダリティを利用することで、ユーザにとって未知の物体でもそれがどのようなものであるかをより深く知ることができる。力覚を取り入れることで、マルチメディア情報処理の場合よりも相手に情報が伝わりやすくなっているのは明らかだ。
共感覚現象を情報処理の世界に応用することで、この分野はますます発展していくことだろうと思う。
マルチメディア情報処理とは、従来の通信、放送といった異なったサービス形態を融合して、音声・文字・静止画・動画をデジタルで高速に送受信できる形態を利用した情報処理のことである。それに対して、マルチモーダル情報処理とは、人間のあらゆる感覚チャネルを利用した情報伝達形態、すなわちマルチモダリティにおいての情報処理のことである。最近のコンピュータは、こうした技術を使えるように聴覚や力覚の表示・認識の能力を備えるようになってきている。
例えば、インターネットについて考えてみよう。このとき、インターネットを利用してデータや画像などを視覚、または聴覚のみで取り入れ、状況判断や意志決定を行うのがマルチメデ...