二重の基準論の根拠

閲覧数6,135
ダウンロード数7
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員770円 | 非会員924円

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    <「表現の自由は、経済的自由に比べて優越的地位を占め、その制限の合憲性審査には、厳格な審査基準が用いられるべきである」とする理論の根拠について説明しなさい。>
    1.本問で問題となっているのは、二重の基準論であるが、これは基本的人権が制限される場合に、当該制限が合憲か否かの判定基準である。この理論の前提として、人権がいかなる根拠に基づき制限されるかの議論がある。憲法は人権を最大限尊重すべきものとする一方、「公共の福祉」に反しない限り制限されるものである旨定めており、この「公共の福祉」の法的意味内容が問題となる。
    (1)この点、「公共の福祉」は人権の外にあって、それを制約する一般原理であり、抽象的な最高概念であるから、公共の福祉のため必要があるときは、すべての人権は制限できるとする説がある(一元的外在制約説)。
     しかし、この説によると、22条、29条は特別の意味を持たず、人権制約が容易となり、「法律の留保」のついた保障と同じになり、妥当でないと解する。
    (2)また、12条、13条は人権制約の根拠となるものではなく、訓示規定にすぎないとした上で、「公共の福祉」による制約が明文で認められてい...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。