【東京大学】【優】 ニムラナ工業団地は日印政府の協力によってできたものであるが、両国の政府が本プロジェクトに取り組んだ理由は何か?なぜ政府が取り組む必要があったのか? インドに工場進出を行うにあたってのリスクとしてどのようなものが考えられるか?ニムラナ工業団地に進出することによって、これらのリスクをどのように軽減することができたか? Neemrana Shared Energy Center (N-SEC)はニムラナのケースを他の工業団地にも面的に展開していくという見通しを立てているが、実現可能か?また、上記のケースからインドにおける新規ビジネスとして他にどのような企画が考えられるか?製造業だけでなく商社や銀行、流通業者など幅広い視点から検討せよ。
グローバルビジネス―インドにおけるビジネス展開―
ニムラナ工業団地は日印政府の協力によってできたものであるが、両国の政府が本プロジェクトに取り組んだ理由は何か?なぜ政府が取り組む必要があったのか?
インドは10億人を越える人口がおり、30歳以下の労働が60%を占める人的資産を有している。またそのうち約2億人と言われる中間購買層の出現により、世界中の企業にとって魅力的な市場でもあり、工場になりえる可能性を秘めている。そういった背景を有しているインドであるが、中国の発展と異なる点はサービス産業が経済の中核を担っている特徴がある。インドでは道路、鉄道、港湾設備、電力、水といったインフラ整備が遅延しており、製造業の発展が出遅れてしまっている。インド政府にとって、将来の若年層の雇用を生み出すためにもインフラ整備、製造業の誘致は急務であり、各地で工業団地の整備を押し進める理由はそこにある。
一方で日本にとって、インドは中国や他のアジア近隣国に比べて、地政学的に遠方の国であり、進出に出遅れているという背景があった。市場としても、工場としても魅力的なインドに進出しないことは日本にとって危機的で...