『事例で学ぶ民法演習』 解答 15

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    資料紹介

    『事例で学ぶ民法演習』の解答です。本書は、北海道大学の教授陣による民法の演習書です。本書は、家族法を除く財産法の全てを網羅しており、旧司法試験や予備試験レベルの中文事例問題で構成されています。
     事例問題形式での民法演習書として本書の問題は完成度が高く、基本論点を総浚いするとともに、判例に則した見解で記述がなされており、現時点で、民法科目最高の問題集であります。
     充実した解答のついていない本書において、本解答は貴重なものであると思います。特に,答案を書くにあたり,受験生が苦手とする「事実の評価部分」が充実していますので、司法試験対策には非常に有用な内容に仕上がっております。
     そして、本解答は司法試験合格者に添削をしてもらった上で作成しているため、信頼できる内容になっていると考えます。 また、発展的な問題については、参考文献や参考資料を引用した上で作成もしておりますので、学習の便宜上、有意義な内容となっております。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    事例で学ぶ民法演習15
    第一.小問1について
    1.本件において、AはBに欺罔されて本件マンション及び本件テレビ(両者を包含して述べる場合は、目的物とする)をBに売却し、これがCDへと転々流通している。
     そこで、Aとしては、本件AB間売買契約は、Bによる詐欺によるものなので取り消す旨の意思表示(民法(以下、特記無き限り省略)96条1項)をした上で、Dに対して、本件マンション及び本件テレビの所有権に基づく返還請求権としての目的物引き渡し請求を主張する。
     以下、Aの請求が認められるかを、場合分けをして論じていく。
    2.C善意、D善意の場合
     (1)Aは、詐欺によりAB間の売買契約を取り消している(96条1項)。そして、取消には遡及効があるから(121条本文)、本件目的物の所有権は、原則としてAに帰属する。
     もっとも、Cは善意の第三者(96条3項)として保護され、AがCに意思表示の取消を対抗できない結果、Cが目的物の所有権を取得し、DはAの請求を拒否することは出来ないか。96条3項の「第三者」の意義が明文上明らかでなく問題となる。  (2)ア.思うに96条3項の趣旨は、取消の遡及効により...

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