母性看護学実習 Step学習Ⅳ 新生児期
1.生理的な特徴
・呼吸機能の確立について説明しなさい。
出生間近の頻繁な子宮収縮により、血液酸素分圧の低下、血液炭酸ガス分圧の上昇、pHの低下などが繰り返される。これらの分娩による変化が児の呼吸中枢を刺激し、さらに産道通過時に受ける胸部圧迫で肺水の一部が排出され、内容が空気で置き換えられる。また、外界での温度低下による皮膚への寒冷刺激も要因となり、出生時の呼吸が起こる。
呼吸は、第1吸気→第1呼気(第一声)→胸式呼吸→腹式呼吸の順序で開始し、やがて安定した呼吸となる。第1吸気では、空気を吸い込み、第1呼気によって肺の中の空気分布をより均一にして肺全体が開かれるといわれている。肺胞内や気道内に残された液体はリンパ管から吸収されていく。
・循環器の変化について説明しなさい。
●胎児循環●
胎児は肺でのガス交換がまったく行えず、肺動脈・肺静脈を介した肺循環もほとんどない。肺にかわりガス交換を行う器官は胎盤で、胎盤への血流は臍動脈と臍静脈によってまかなわれる。臍静脈より還ってくる酸素化された血液は静脈管と呼ばれる血管を通って下大静脈には...