緑化ネットワーク 平成16年度事業報告書

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    緑化ネットワーク
    平成16年度事業報告
    平成16年度事業報告書
    1、砂漠緑化・砂漠化防止(ユニット植林)事業
     干ばつ続きのホルチンに、ようやく雨らしい雨が降った年であった。しかし、干ばつは雨季の始まる6月末まで続いたため、全体の活着率は、ポプラとマツの高木だけに限った割には思いのほか低調であった。 夏以降、瓦房北西およびハトゥタラ(NTTグループ植林地)の二ケ所に於いて、それぞれ5人1組の管理チームを設置。住民による本格的な管理のシステムをテストした。最終的には瓦房南にも1チームを設置し、現在合計3つの管理チームが稼動している。同時に、これまで労働力としてとらえてきた住民に対する我々の認識を改め、農民こそ緑化事業の主体であるとし、彼等が積極的に緑化に関わっていくための基盤整備をはかる必要性を痛感した。実際、この二つのチームの稼動状況はすこぶる良好で、積極的な意見具申や管理の工夫も行われるなど予想以上の成果 をあげた。ただ、緑化の成功を判断するには長い時間が必要であり、昨年度の半年間の結果 だけでは諸手を挙げて喜ぶ事は早計である。しかし、我々の活動地域には、意識も労働意欲も高い住民が決して少なくないことが分かり、大変な収穫となった。 一方、03年度から開始した査金台で、大規模な家畜による食害が発生。33ユニット分の植林地が壊滅的な打撃を被った。原因は大きくわけて以下の2点になる。第1は、当会の活動拠点である瓦房から片道で4時間と最も遠いためスタッフが頻繁に行き来することが難しく、目が行き届かなかったこと。第2は、管理を請け負っていた地元旧国営農牧場の組織改編と、それに伴う人事異動などの混乱である。公的機関である牧場と緑化ネットワークとの契約を、牧場長が個人的に請け負ったものとして扱い、牧場長の移動後、業務や資金の引き継ぎが全くできていなかった。住民への地権設定の際の不透明な土地区分割り当てなども重なり、結果 的には住民の、事業に対する理解が全く得られておらず、柵の修理や見回りなどの管理も全くなされていなかったために家畜の餌場と化してしまったわけである。この失敗の直接的な原因は、当会と牧場側で築くべきであった管理体制の不備だが、問題の本質は、住民へのアプローチ不足、住民参加の不徹底である。結局、緑化事業とは、住民の理解と参加なしには成り立たないという現実を見せつけられたわけである。 光と影となった管理チームの成功と食害の発生は、今後の緑化事業の正否を占う重要な出来事であった。なお、食害が発生した査金台は一時撤収し、代替地で緑化を行う。新規オーナーもあわせ、当会にとって5番目となる植林地「ハイスガイ鎮」で事業を始める。こうした教訓を活かした、これまでにない形での緑化事業を展開していく予定だ。
    (1)新規着工ユニット植林
    ユニット名 植林地 ユニット =ha 植林本数 生存本数 オーナー名 荏原製作所の森2004 瓦房 2 4,800 3,005(62.6%) (株)荏原製作所 EXAの森2004 瓦房 10 24,500 15,447(63.0%) エキスパートアライアンス(株) NBS長野放送の森2004 瓦房 5 12,400 7,850(63.3%) 西山浄土宗ボランティアの会 みのりの森2004 瓦房 1 2,400 1,502(62.6%) 仁平加奈子 よしおの森2004 瓦房 1 3,500 2,283(65.2%) 石川嘉男 西山の森2004 モンゲンダバ 5 12,500 6,552(52.4%) 西山浄土宗ボランティアの会 ソフ

    資料の原本内容

    緑化ネットワーク
    平成16年度事業報告
    平成16年度事業報告書
    1、砂漠緑化・砂漠化防止(ユニット植林)事業
     干ばつ続きのホルチンに、ようやく雨らしい雨が降った年であった。しかし、干ばつは雨季の始まる6月末まで続いたため、全体の活着率は、ポプラとマツの高木だけに限った割には思いのほか低調であった。 夏以降、瓦房北西およびハトゥタラ(NTTグループ植林地)の二ケ所に於いて、それぞれ5人1組の管理チームを設置。住民による本格的な管理のシステムをテストした。最終的には瓦房南にも1チームを設置し、現在合計3つの管理チームが稼動している。同時に、これまで労働力としてとらえてきた住民に対する我々の認識を改め、農民こそ緑化事業の主体であるとし、彼等が積極的に緑化に関わっていくための基盤整備をはかる必要性を痛感した。実際、この二つのチームの稼動状況はすこぶる良好で、積極的な意見具申や管理の工夫も行われるなど予想以上の成果 をあげた。ただ、緑化の成功を判断するには長い時間が必要であり、昨年度の半年間の結果 だけでは諸手を挙げて喜ぶ事は早計である。しかし、我々の活動地域には、意識も労働意欲も高い住民が決して少なくないことが分かり、大変な収穫となった。 一方、03年度から開始した査金台で、大規模な家畜による食害が発生。33ユニット分の植林地が壊滅的な打撃を被った。原因は大きくわけて以下の2点になる。第1は、当会の活動拠点である瓦房から片道で4時間と最も遠いためスタッフが頻繁に行き来することが難しく、目が行き届かなかったこと。第2は、管理を請け負っていた地元旧国営農牧場の組織改編と、それに伴う人事異動などの混乱である。公的機関である牧場と緑化ネットワークとの契約を、牧場長が個人的に請け負ったものとして扱い、牧場長の移動後、業務や資金の引き継ぎが全くできていなかった。住民への地権設定の際の不透明な土地区分割り当てなども重なり、結果 的には住民の、事業に対する理解が全く得られておらず、柵の修理や見回りなどの管理も全くなされていなかったために家畜の餌場と化してしまったわけである。この失敗の直接的な原因は、当会と牧場側で築くべきであった管理体制の不備だが、問題の本質は、住民へのアプローチ不足、住民参加の不徹底である。結局、緑化事業とは、住民の理解と参加なしには成り立たないという現実を見せつけられたわけである。 光と影となった管理チームの成功と食害の発生は、今後の緑化事業の正否を占う重要な出来事であった。なお、食害が発生した査金台は一時撤収し、代替地で緑化を行う。新規オーナーもあわせ、当会にとって5番目となる植林地「ハイスガイ鎮」で事業を始める。こうした教訓を活かした、これまでにない形での緑化事業を展開していく予定だ。
    (1)新規着工ユニット植林
    ユニット名 植林地 ユニット =ha 植林本数 生存本数 オーナー名 荏原製作所の森2004 瓦房 2 4,800 3,005(62.6%) (株)荏原製作所 EXAの森2004 瓦房 10 24,500 15,447(63.0%) エキスパートアライアンス(株) NBS長野放送の森2004 瓦房 5 12,400 7,850(63.3%) 西山浄土宗ボランティアの会 みのりの森2004 瓦房 1 2,400 1,502(62.6%) 仁平加奈子 よしおの森2004 瓦房 1 3,500 2,283(65.2%) 石川嘉男 西山の森2004 モンゲンダバ 5 12,500 6,552(52.4%) 西山浄土宗ボランティアの会 ソフトエイジの森2004※1 モンゲンダバ 1 0 0(0%) (株)ソフトエイジ ボランティア貯金の森2004 モンゲンダバ 10 3,000 2,433(81.1%) 郵政事業庁国際ボランティア貯金 コムウェア21世紀の森2004 ハトゥタラ 2 3,800 2,089(55.0%) NTT労組コムウェア本部 NTT労組ドコモ本部の森2004 ハトゥタラ 3 5,260 2,915(55.4%) NTT労組ドコモ本部 NTT労組データ本部 出会いの森2004 ハトゥタラ 1 2,150 1,321(61.4%) NTT労組データ本部 小林大輔の森2004 ハトゥタラ 1 1,720 957(55.6%) 小林大輔 大地に愛と緑をささげる 市橋直久・靖恵・典之助の森2004 ハトゥタラ 1 1,720 957(55.6%) 市橋直久 ティンバーランドの森2004 ハトゥタラ 16 34,400 27,532(80.0%) (株)ティンバーランドジャパン 緑化隊の森 瓦房 7,961 6,608(83.0%)   合 計 300,111 195,930(65.3%)   ※ 1ソフトエイジの森2004は、植林地の状況から判断し、牧柵の設置など初期設備の設置のみ。05年度以降に植林予定。 ※2ボランティア貯金の森2003植林分を含む
    2、緑化隊派遣事業
    SARSの影響を受けた03年度の落ち込みを挽回するにいたらず、参加者は伸び悩んだ。 (02年:450名、03年:50名、04年:279名)一般隊は特に壊滅的(3名)。しかし、もともと一般 隊は斬減傾向にあり、参加者増加のための基本的な戦略の練り直しが急務である。 ツアーの内容としては、参加者に対して、緑化活動全般を理解してもらえる「オリエンテーション→作業→ワークショップ」という一連の流れが確立された。しかし、どの隊にも安直にこのフォーマットを当てはめ過ぎたために、参加者のニーズに満足に答えられなかった感も否めない。ただし、「とにかく1本でも多く植えたい」、という要望をそのまま受け入れて、緑化ツアー=植林作業と参加者が認識してしまうようでは、当会が緑化隊事業を実施する意味が全くない。これからは、植えたい参加者に対して労働意欲を満たしつつ、如何に「植林作業は緑化活動のほんの一部である事」ということを伝え、緑化活動全般 に対する理解と参加意識の発揚・継続をはかるという、一見相反する二つの目的を満たさねばならない。04年度の特筆すべき隊として、ドコモ労組OB隊を挙げる。管理チーム住民宅への一般 参加者初となるホームステイや、前回参加時に交流した学生達との再会など、より意識を持ち、継続の糧となる経験者ならではの旅となったようである。
     
    3、国内事業(森林整備事業)
     03年度に試験的に実施した、福島県田村郡都路村での里山整備事業。夏と秋の2度実施。地元都路村役場と森林組合の全面 的な協力により、スムーズな運営ができた。一泊ないし二泊の日程で、下草刈りや間伐・枝打ちなどを行う。主に緑化隊参加者や会員が参加。砂漠よりも気軽に、余暇を利用して家族で参加できる身近なフィールドに於いて、砂漠緑化活動と同様、環境保全活動に楽しんで関わっていく「きっかけ」の場を提供。都市住民の自然・山村理解の増進や、市民による環境保全活動の定着を目指す。現在は、緑化隊の同窓会的性格が強いが、これからはより広範囲な参加者を集めていくよう、運営・広報などに努めていく。
    ・第2回森林ボランティア活動(仮称)
    日 時:04年7月17日~19日(二泊三日) 参加者:11名(小学生以下2名含む) 内 容:森林整備活動(雑木林の下草刈り、針葉樹の間伐・枝打ち)の他、じゃが芋掘りやエゴマの除草などの農作業体験。また、地元の竹炭工房の見学や県指定の自然林見学、カブトムシ・クワガタ採取等。
    ・第3回森林ボランティア活動(仮称)
    日 時:04年11月27日~28日(一泊二日) 参加者:17名(小学生以下4名含む) 内 容:森林整備活動(雑木林の下草刈り、針葉樹の間伐・枝打ち)。間伐材を使った木工作業等。
     
    4、宣伝・広報活動
     広報は、大規模なイベントへの出展が目立つ。地域の小さなイベントから、アイドルグループの文化祭まで、多様なイベントにブース出展。また、雑誌や書籍などでも取り上げられる事が多く、良好な反応が得られた。逆に、発信型の会報やホームページは、コンテンツの充実がはかられておらず、大胆な刷新が必要。会報は、2005年冬号より紙面 を一部刷新。
     
    (1)ホームページの更新(6回)、会報の発行(4回)
    (2)展示会・講演活動の実施
    ・活動報告会の開催
    日時:(関東)04年2月21日 (関西)04年2月28日 場所:(関東)東京都中央区立ハイテクセンター(関西)滋賀県大津市ふれあいプラザ 内容:平成15年度の活動報告会を、関東、関西で実施。主に会員、緑化隊参加者に呼びかけ、合 計約40名が参加。緑化活動や緑化隊の実施状況の他、総会で承認された平成15年度決算及び事業報告並びに平成16年度事業計画・予算を報告。事業の全体像から詳細までを網羅 的に報告。特に、SARS発生・拡大と、その緑化活動や緑化隊へ多大な影響について、現地事務所長から報告をした。
    ・慶応義塾大学環境情報学部にて特別講議
    日時:04年6月17日 場所:神奈川県藤沢市慶応義塾大学湘南キャンパス 内容:厳助教授(当会理事)の講議枠でゲスト講議。砂漠緑化の成果やNPOの運営など
    ・ モーニング娘。モ熱っちぃ地球を冷やすんだっ文化祭2004 ~STOP!地球温暖化~(環境省「環の暮らし応援団」メンバー)出展
    日時:04年6月19日~6月20日 場所:千葉県千葉市幕張メッセ国際展示場4・5・6ホール 内容:モーニング娘。の文化祭イベントに、ブース出展。単なるアイドルイベントではなく、愛知万博のプレイベントとして環境に特化したイベント。参加...

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