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燃料電池車は二酸化炭素排出量を減らさない?
  • 投稿者: qqme9839   投稿日時: 2008/07/12 20:41
  •  最近、環境展に石油メーカーが燃料電池車と水素燃料車を展示していました。石油メーカーが売りたいのは、燃料の水素です。しかし、水素の原料はと聞くと石油か天然ガスだそうです。確かに、現在の化学産業で水素は、石油か天然ガスを原料にして製造されています。すでに、販売されている、ガスメーカーや石油メーカーの燃料電池は、電力と温水が得られる事が特徴です。なぜ、温水が出るか考えた事があるでしょうか。メタン、プロパンガスや灯油から水素を取ると炭素が残ります。炭素は燃焼され、二酸化炭素となります。燃料電池用の水素が製造される時は二酸化炭素が発生します。発生する二酸化炭素の量は、原料の石油や天然ガスをそのまま燃焼した場合と同じ量です。燃料電池車の実用化で輸送部門における二酸化炭素の発生量は半減すると予想されていますが、水素原料を石油、天然ガスとしていては、燃料電池化する場合の燃費効率、理論上20%の削減効果しかありません。燃料電池車による二酸化炭素削減効果は夢物語だったのでしょうか。20%程度の削減でしたら、日本ではガソリンの税率をもっと高くしガソリンをたくさ買えない様にした方が投資もかけずに実現してしまいます。

     電気自動車、燃料電池車、バイオエタノール車と今までと違うエネルギー源の車を浸透させるにはも時間も、ユーザーの購入負担もかかります。ガソリンが180円/リットル(240円/kg)の現在、燃費が20%向上したとしても、現在水素は、ボンベで買う場合、1900~2300円/kgもします。量産化により粗製水素として300円/kgまで将来安くなると思いますが、燃料電池に利用できるまで純度を上げると450円/kg程度と推定されます。これに税金を80円加えると530円/kgとなります。税率を現行と同じにすると650円/kgです。燃料電池車は、一般ユーザーは買わないでしょう。バイオエタノールも同じ価格だと計算しています。

      もっとも、実現性が高いのは、現行の化学技術の組み合わせで、バイオガソリンを製造する事だと思います。バイオガソリンと言っても組成は現行のガソリンと同じですので自動車は現行のままで良いのです。バイオガソリンの原料は、森林資源ではありません。都市から発生するゴミです。雑草や野菜くず、食料品の残飯、紙くずは紛れもなく、光合成により大気中の二酸化炭素を、セルロースやデンプン等に転換したものです。大気中の二酸化炭素濃度を高くする事はありません。ゼロエミッションに該当する原料です。現在、ゴミの集配、処理は自治体が税金で行っていますので、処理コストがそのままガソリン製造コストになりますので、安価に製造可能です。おそらく、石油から製造したガソリンが180円/リットルしていてもバイオガソリンは130円/リットル以下の価格でガソリンスタンドで販売可能と思います。