糖尿病の薬
【糖尿病について】 糖尿病はラテン語で diabetes mellitus と呼び、その意味は「尿がたくさん出て、しかもその尿は甘い」ということを表わしています。この言葉に由来して、医療機関では糖尿病のことを「DM」と略して呼ぶことが多いものです。 日本語の糖尿病という病名から「尿に糖が出る病気」というふうに理解される方も多いようですが、正確に言うと「糖尿病とは、インスリン(※)というホルモンの作用が足りなくて、血液中のブドウ糖(血糖)をうまく利用できなくなり、血糖値が異常に高くなる病気」ということになります。このインスリンについて少し触れてみます。 ※インスリンとは?
インスリンは膵臓のB細胞(β細胞とも呼ばれます)から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあり、同じように膵臓のA細胞(α細胞とも呼ばれます)から分泌されるグルカゴンと呼ばれる血糖値を上昇させるホルモンとの間で、血糖値を適切に保つように調節する働きがあります。例えばグルカゴンにはインスリンの分泌を促進する作用があり、逆にインスリンではグルカゴンの分泌を抑制する作用があるとされています。 インスリンの...